morita MiW

『虹の根っこ』

静かな静かなあの夏の昼下がり。
少し降った水の傍の虹。
その根っこをつかまえようと
ワタシはどこまでもどこまでも走ったの。

気がつくと知らないココ。
何処?
いつしか根っこどころか虹も消えて
ワタシは急に寂しくなってしまったの。
メソリメソリ泣いてしまった真空の世界で。

そんなワタシの後ろから
大きな大きなアナタの気配。
虹の根っこは掴めなくっても、
シアワセなココロは自分でつくればいいんだよ。

ワタシは決めた。
この夏には。
入道雲の浮かぶ空色のソラの下で
たくさんのたくさんの
あらゆるココロを思い存分つくるんだってこと。