「ワタシの小鬼」
ちょっと苦手な処に居ると
ワタシの耳はモワモワと淀みます。
なんだかなぁ、とフリフリ耳を振ってみると
いつもちっぽけな小鬼が落ちてくるのです。
最初はワタシの手のひらで
スヤスヤ寝息をたてているんですけれど、
その内にピョイと起き出して
ワタシの髪の毛をモシャモシャにしたり
ワタシの口角にぶら下がってみたりするもんですからね。
「おいこら小鬼あっち行け!」
ってワタシ。
そしたらねぇ、
今度は泣きながら脇の下に引き篭もっちゃうの。
なんてこと!
さぁてさぁて、こういう時はねだいたいまぁいつも。
ワタシは散歩ってのんに出かけます。
ホンワカな太陽の粒子が降り注ぐあの森を歩きながら
ワタシは脇をほんの少し揺らします。
小鬼は泣き腫らした目を眩しそうに持ち上げて
ちょこんと陽だまりに座ります。
しばらく粒を浴びた小鬼は
やがて気が済んだみたいな丸い表情をして
今度はスキップをしながらワタシの耳に戻って行くのです。
「またおいで。
あぁ、いや、うん・・・また落ちてきてもいいよ。」
面倒臭くて可愛くてヘンテコリンなワタシの小鬼は
まだまだけっこう元気そうです。
サイズ/W14.8cm×H18cm×D1.1cm
重さ/約267g
表紙/紙100% マットPP加工
本文/紙100% 200ページ(無地)見返し(絵とポエム)
仕様/糸綴り しおり紐付き バンド付き
包装/OP袋入れ
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