morita MiW

『あの時の庭』

たしかあれは秋の初めのあの庭。
花たちは涼しい風に揺れていて
ワタシも同じように少しココロを揺らしてて。
そしたらね、
パタパタパタと音がして、よく見るとあの子。

さぁ頭を撫でてあげましょう。
お尻の羽根を梳ってあげましょう。

時間の穴からきっと出てきたあの子は。
揺れたワタシのココロの椅子にひょいと乗り
「グァウ。」とひとつ鳴きました。